映画『黒の牛』が劇場公開へ:禅の思想と70mmフィルムが織りなす映像詩

蔦哲一朗監督作品『黒の牛』、2026年1月23日より全国順次公開

「京都映画企画市」の優秀映画企画から初の長編映画化が実現した、蔦哲一朗監督作品『黒の牛』が、2026年1月23日(金)より全国で順次劇場公開されます。

禅の思想と先進的な映像技術が融合した映像詩

本作は、禅に伝わる「十牛図(じゅうぎゅうず)」から着想を得た、男と牛の物語です。主演には、台湾の名優リー・カンション氏と、映画『国宝』で深い印象を残した田中泯氏を迎え、音楽には生前本作の企画に賛同し参加を表明していた坂本龍一氏の楽曲が使用されています。これにより、場所や時代を超越した普遍的な世界観がより深く表現されています。

映像面では、全編フィルムで撮影され、さらに長編劇映画の撮影としては日本初となる70mmフィルムが一部で使用されるなど、その技術的な挑戦も注目に値します。この選択は、作品の持つ壮大なスケールと圧倒的な映像美を追求するためのものであり、観る者を内なる宇宙と森羅万象を巡る旅へと誘います。

制作は日本・台湾・アメリカの3か国による国際共同製作として進められ、監督の故郷である徳島県三好市をはじめとする四国各地、そしてコロナ禍の台湾でも撮影が行われました。完成までに8年という歳月を要したこの壮大な映像詩は、その芸術性と技術的完成度が高く評価されています。

2024年には「第37回東京国際映画祭」〈アジアの未来〉部門でプレミア上映され、2025年には「第49回香港国際映画祭」で最高賞である〈Firebird Award〉を受賞しました。

作品情報

  • タイトル:『黒の牛』

  • キャスト:リー・カンション、田中 泯、牛(ふくよ) ほか

  • 監督:蔦 哲一朗

  • 脚本:蔦 哲一朗、久保寺晃一、上田眞之、熊野桂太

  • 美術:部谷京子

  • 音楽:坂本龍一

  • 配給:ALFAZBET、ニコニコフィルム、ムーリンプロダクション

  • 製作年/上映時間:2024年製作/114分

  • 製作国:日本・台湾・アメリカ合作

  • 著作権表記:©NIKO NIKO FILM / MOOLIN FILMS / CINEMA INUTILE / CINERIC CREATIVE / FOURIER FILMS

全国順次公開と特別展覧

映画『黒の牛』は、2026年1月23日(金)より下記の劇場にて全国順次公開されます。チケット情報や詳細は、各劇場サイトにてご確認ください。

ほか全国順次公開。関西ではテアトル梅田(1/30~)、シネマ神戸(1/31~)などでも上映されます。

牛嶋神社での「『黒の牛』特別展覧」とスペシャルイベント

現在、東京墨田区にある牛嶋神社では、2月28日まで「『黒の牛』特別展覧」が開催されています。ここでは、劇場版とは上映尺と編集が異なるメディアアート版が常設上映されており、映画の世界観を異なる形で体験できます。詳細はこちらをご覧ください。

また、昨年12月14日には同神社にてスペシャルイベントが開催され、田中泯氏と映画に出演した牛「ふくよ」によるダンスパフォーマンス「場踊り」が厳かに行われました。当日は霧雨と曇り空でしたが、パフォーマンスが始まると暖かい陽の光が差し込み、終了とともに再び曇天に戻るという、神秘的な天候の中で行われました。

「京都映画企画市」が創出する新たな才能

『黒の牛』の長編化を可能にした「京都映画企画市」は、映画・映像制作者(監督、プロデューサー等)を対象とした企画コンテストです。京都が持つ時代劇の拠点としての優位性を生かし、映画・映像クリエイターが世に出るための仕組みを構築することを目的として実施されています。

この企画市は、「日本で唯一、メジャースタジオで自分の作品企画を映像化できるコンテスト」として、多くの映画・映像制作者の企画実現に向けたきっかけ作りや第一歩をサポートしています。

京都映画企画市 公式サイト

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